【開催報告】 OGC 2012

2012年3月19日 Posted in 講演会
OGC 2012
Open "Game" Contents
オープン環境が生み出すゲーム&コミュニティコンテンツのカンファレンス
―コミュニティプラットフォームで際立つ"ゲーム"の魅力と新たな展開―

現在スマートフォンの急速な普及と相まってプラットフォームやソーシャルゲームは、急速な成長を続けています。SNSをベースとした斬新なコンテンツが生まれる中で、豊富なIPとゲーム作りのノウハウを持つゲーム製作会社がSNS上でその存在感を現したのが今年の特徴でもあります。また、新しいSNSプラットフォーム運営各社は、ゲームによる課金モデルから、ゲーミフィケーションと称されるゲームによるマーケティングの世界を切り開くと同時に、ゲーム作りのノウハウをエンタープライズユースへ活用する動きも見られます。

このような状況のもと、本年度のOGC 2012は、「新たなプラットフォームの可能性」「強力な魅力を持つゲームの力」「ゲーミフィケーションへの広がり」の3つの軸でモバイル・ブロードバンドコンテンツの今後の可能性を探求しました。

当日は、株式会社comcept CEO/コンセプター 稲船 敬二氏を基調講演に招聘するとともに、SNSプラットフォーム運営各社やゲーム製作会社、ソーシャル・アプリケーション・プロバイダーの最新動向、ゲームから派生した新たな潮流としてのゲーミフィケーション(Gamification)への考察など、モバイル・ブロードバンドコンテンツの最新ビジネストレンドに関する講演やパネルディスカッション14セッションで構成し開催しました。

実施状況
申込数 302
参加者数 302(BBA会員44 / 非会員258)
参加企業一覧 148社

■基調講演 ゲーム製作の新たな"判断!"
株式会社comcept CEO/コンセプター 稲船 敬二 氏

基調講演は、「ロックマン」、「バイオハザード」、「ロストプラネット」、「デッドライジング」などヒットシリーズを次々と生み出したゲームクリエイター、株式会社comcept CEO/コンセプターの稲船 敬二氏にご登壇いただきました。
稲船氏はまず、コンソールゲーム制作における日本と海外の違いを「引き算」と「足し算」に例え、日本の(コンソールゲームの)経営は消極的な「引き算」になっているが、ソーシャルゲームは何もないところからの「足し算」だからこそ成長したと述べました。
これからのソーシャルゲームをゲームとリアルを掛け合わせる「掛け算」になぞらえ、今までゲームができなかったこの部分を最も求められているのがソーシャルゲームなのではと述べました。
最後に、コンソールゲームだけを"ゲーム"と思い込まず、ソーシャルゲームや、ヨドバシカメラのポイントも広義のゲームとしてとらえ、"ゲーム"の定義が変動しつつある状況に対して積極的に取り組んでいく姿勢を示して講演を終えました。

■A01 ソーシャルゲームは、 コンソールゲームを目指すのか?
~ドラゴンアークの開発、運営から~
グリー株式会社 メディア事業本部 エグゼクティブディレクター 土田 俊郎 氏

『アークザラッド』シリーズや『フロントミッション』シリーズなど、数々のコンシューマーゲームを手掛けてきた土田氏に、大ヒットソーシャルゲーム「ドラゴンアーク」の開発運営から、ゲームを遊ぶユーザーの数を飛躍的に広げた要因、ソーシャルゲーム成功の秘訣をお話いただきました。

■A02 mixiゲームの現状とヒットタイトルの特徴
株式会社ミクシィ ユーザーサービス本部 コンテンツ部 部長 森田 仁基 氏
株式会社グレンジ 代表取締役社長 木下 慎也 氏

セッションの前半は森田氏からmixiとmixiゲームの現状について、後半は木下氏から『戦国SAGA』『ドラモンマスター』の2本を題材に、mixiゲーム内で売上を伸ばすTIPSについてご講演いただきました。

■A03 日本人の遊びとネットとエンターテインメントの"新常識"
株式会社アスキー・メディアワークス アスキー総合研究所 所長 遠藤 諭 氏

2010年11月から2011年6月までの間に劇的に変化した日本人のメディア環境から、遊び方とライフステージや恋人の有無、好きなキャラや趣味と余暇の使い方、スマートフォンのゲーム利用状況、イベントや商業施設の利用など、日本人の遊びとエンターテインメントの最新事情を、アスキー総研の1万人調査「MCS」もとに解説いただきました。

■A04 大人気ソーシャルゲームを支える技術 ~ 拡大し続けるシステムの軌跡
株式会社コナミデジタルエンタテインメント ドラコレスタジオ マネージャー
廣田 竜平 氏

2011年11月で550万人のユーザーを抱えるヒットタイトル「ドラゴンコレクション」の基盤技術と、「システムとはインフラとアプリの両方があわさった概念」としてPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを回しながら、運用実績を積み上げていくこと。さらに具体的な障害が発生するまえに、数値監視などを通して障害を未然に防ぐ体制づくりについてご講演いただきました。

■A05 いろいろぶっちゃけます!ヒットゲームの作り方と、
世界で勝つための7つの方法
株式会社 gumi 代表取締役社長 國光 宏尚 氏

演目を変更し、ソーシャルゲームがインターネット初のオリジナルコンテンツであること、強い輸出産業としてソーシャルゲームが世界に打って出る存在になりうること、現在を「世界を獲るいままでにないチャンス」とし、ソーシャルゲームで世界に挑戦する必要性についてご講演いただきました。

■A06 ネットに繋がるゲーム時代のゲーム企画
株式会社Aiming 代表取締役社長 椎葉 忠志 氏

現在、そして今後のソーシャルゲームやスマートフォンのゲームの共通キーワードである"インターネットに常時接続する"点をポイントに置き、ゲーム時代とゲーム企画についてご講演いただきました。「デバイスによって、作るゲームを明確に変えないといけない時代」、「ゲームに望む遊びの深さの違いを理解し、明確にして作らなければいけない」と、ゲームのコンセプトや方向性を決める上での考え方などをお話いただきました。また、面白いゲームを生み出すためには、面白いと言われているゲームを遊んで理解するのが一番であるとお話いただきました。

■A07 連続成長を支えるチームワーク
株式会社タイトー ON!AIR事業本部
シニアプロデューサー ソーシャルゲーム事業統括 松澤 祥一 氏
プロデューサー 清水 勇也 氏, ディレクター 伊与政 秀武 氏
ゲームデザイナー 山日 康彰 氏, エンジニア 横澤 佳佑 氏

プロダクトライフサイクルが短いと言われるソーシャルゲーム市場において、配信開始から1年以上が経過した現在もなお伸長を続ける魔導士カードバトルゲーム「フェアリーテイル」を支えるライブオペーレーションのノウハウを、これまで実践してきた事例を交えながら現場のプロジェクトチームメンバーにご講演いただきました。

■B01 産業構造の断絶:物理メディアを失ったゲームはどこに向かうのか
ジャーナリスト(ゲーム・IT) 新 清士 氏

クライアント環境の変化やインターネット回線速度の変化などの「技術要因」、消費者の「人口動態」、「コンテンツ市場の形成」の3点を、これからのゲーム業界が意識すべきポイントとしてご講演いただきました。

■B02 ゲーミフィケーションとは何か
国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 研究員 井上 明人 氏

「ゲーミフィケーション」を捉える文脈は、現在、さまざまな形になっており、やや実態がとらえずらいものとなっていることから、既存のゲーム業界とどう関わりうるのか、ゲーミフィケーションの実質的な中身といえる部分はどういった点なのか、についてご講演いただきました。

■B03 ソーシャルゲームのテクニックでゲーミフィケーションを設計する
株式会社ループス・コミュニケーションズ コンサルタント 岡村 健右 氏

お金を払ってでもプレイしようとするユーザーも多いソーシャルゲーム。ボーナスやユーザー行動を熟知したソーシャルゲームのテクニックを使って、どのような要素をゲーミフィケーションに入れればよいかを具体的に解説いただきました。

■B04 コミュニケーションアプリ「LINE」の戦略
~スマートフォンで切り拓くグローバル展開~
NHN Japan株式会社 ウェブサービス本部 執行役員・CSMO 舛田 淳 氏

OGC2012が外部初の講演となった同社の2012年最重要プロジェクト『LINE』は日本で生まれたコンテンツであり、サービスインから8カ月(3月時点)で2000万ユーザーを獲得し現在も成長を続ける理由、2011年3月11日に起きた東日本大震災がLINE開発の原動力となったエピソード、今後は全世界1億ユーザーを目標とすることについてご講演いただきました。

■B05 ニコニコ動画に見るメディア変革時代
株式会社ニワンゴ 代表取締役社長 杉本 誠司 氏

動画サイト「ニコニコ動画」を切り口に、コミュニケーション重視の運営姿勢、既存メディア、動画コンテンツとの違い、ニコニコ動画流"ソーシャル"が流行する理由についてご講演いただきました。

■B06 企業やブランドにおける
「エンタープライズソーシャル&ゲーミフィケーション」の戦略的活用方法』
株式会社ハイベロシティ 代表取締役社長 福光 了良 氏
株式会社ISAO 経営企画室 清水 弘一 氏

ISAO清水氏より「エンタープライズゲーミフィケーションは組織エンゲージメント向上、パフォーマンスアップの武器になるのか?」 について、ハイベロシティ福光氏より「すごいぜ!Facebook! Facebookページからはじめる企業のソーシャルマーケティング! 」について、ご講演いただきました。

■B07 ヒット作を生み出す! ゲームインフラとクラウド運用の今とこれからに関して
アマゾンデータサービスジャパン株式会社
エンタープライズ セールス マネジャー 中川 誠一 氏
株式会社ISAO プラットフォームアーキテクト セールスグループ 和泉 綾志 氏
アマゾンデータサービスジャパン株式会社 テクニカルエバンジェリスト 堀内 康弘 氏

世界での飛躍を狙ったソーシャルゲームの勢いが今後加速し、 運営・運用がヒットの構成要素となっている中で、クラウド環境の重要性が増していることから、今回はゲームインフラにフォーカスして、Amazon社からAmazonのクラウドサービスと、ISAOからその運用についてご講演いただきました。

まとめ
前回のOGC 2011は2011年3月に発生した東日本大震災の影響で開催が5月に延期となり、このたびのOGC 2012は年度内で2回目の開催となりました。このため会場規模を見直し、広告費の削減など支出を抑えて開催しました。参加費も事前登録10,000円(税込)と参加しやすい価格設定にし、会場規模に見合う動員を募ることができました。
告知から開催まで3週間の短い期間で会場規模に見合う動員を達成できた理由は参加費のほかに以下の3点が考えられます。

1. ソーシャルゲーム、ゲーミフィケーションにフォーカス
  フォーカスのポイントがOGCリピーターのゲーム開発/運営会社に強く訴求したことに加えて、OGCのコンセプトに沿った関心の高いコミュニティコンテンツ(LINE、ニコニコ動画)に登壇いただいたことも新規参加者の動員に繋がったと考えられます。
2. コンセプトに沿った講演者、演目のコーディネート
  コミュニティプラットフォーム、大手ゲームメーカー、ソーシャルアプリプロバイダー、学識研究者、ジャーナリスト、コンサルタントなど幅広いジャンルからメッセージ性の強い講演者にご登壇いただき、セッションごとにOGCのコンセプトに沿った演目を設定できました。
3. OGCの認知度と広告に頼らない広報活動
  登壇者や演目など情報のアップデートをOGC公式サイトに集約し、情報の発信をメール、Facebook、Twitterで行い、周知漏れを最小限にとどめる努力を継続しました。メール経由の参加者はOGCのリピーター、Facebookはオンライン系業界関係者への周知となり、Twitterは500フォロワーへのリーチに加え、講演者のRTが情報を拡散し認知度向上につながったと考えられます。

今後もオンラインコミュニティ全般の傾向、トレンドを捉え、フォーカスのポイントを外さないこと、適した講演者、演目をコーディネートすること、ご来場者の皆様からいただいたご意見ご要望に沿えるよう、改善を進めて行きたいと思います。

開催概要
■日時 2012年3月16日(金)10:00-18:20 [懇親会] 18:20-19:30
■会場 TEPIA(財団法人 機械産業記念事業財団 )
〒107-0061 東京都港区北青山2丁目8番44号
交通:東京メトロ銀座線 外苑前駅から徒歩4分
JR千駄ヶ谷駅、または信濃町駅から徒歩14分
都営大江戸線 国立競技場駅から徒歩11分、または青山一丁目駅から徒歩9分
■主催 一般社団法人ブロードバンド推進協議会(BBA)
■後援 経済産業省、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)
一般社団法人日本オンラインゲーム協会(JOGA)、国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本)
■協賛 イベントスポンサー:ソフトバンク・ペイメント・サービス株式会社
スポンサー:株式会社ISAO、GMOインターネット株式会社、SUPERMICRO、株式会社リンクトブレイン
■定員 350名
■参加費 事前登録10,000円(税込)当日15,000円(税込) ※懇親会参加費を含む
■対象 ゲーム事業者、コミュニティサービス事業者、その他の情報通信に関わる方