【開催報告】OMC 2012

2012年10月11日 Posted in コンテンツ&アプリケーションWG

OMC 2012 開催報告
-ソーシャルネットワーク活用による企業メディアの新たな可能性を求めて-

IMG_4937.jpgスマートフォンとクラウドの爆発的な普及に伴い、ソーシャルネットワークはコミュニケーションとエンターテインメント・コンテンツのプラットフォームとして定着した。一方、一般企業のブランディングやユーザーサポートなど顧客との新たな接点としてソーシャルネットワークを積極的に活用しようとする動きもみられる。
このカンファレンスでは、これら企業の視点からのソーシャルネットワーク活用の新たな可能性にフォーカスし、Facebookをはじめとするアプリの開発、運用の最新情報、活用事例を基に、ソーシャルアプリ・コンテンツ事業者、運営事業者で、現状の整理、課題を共有し今後の活用の可能性を明らかすることを目的とする。
第1部では、 Facebookの認定マーケティングデベロッパー(PMD)で「fb.developers'+」を運営しアプリ開発者向けの勉強会「Facebook Night」を開催する株式会社サイバード。Facebookやtwitterなどのソーシャルメディア導入・運営目的に合わせた、リスクを抑えつつ積極的に運営するための、運用設計をきめ細やかにサポートするイー・ガーディアン株式会社、 Facebookを簡単にカスタマイズする無料のソーシャルアプリ「HiveloSocialApps」を多数提供する株式会社ハイベロシティ。Webアプリケーションの開発から公開まで非常に簡単にできる優れたクラウド・プラットフォーム「Heroku」を提供する株式会社セールスフォース・ドットコム。ソーシャルマーケティングプラットフォーム「モニプラ」を提供するアライドアーキテクツ株式会社にご登壇いただき、ソーシャルアプリの開発事例から学ぶ効果的活用法と、Facebookアプリ、ページの運営ノウハウについて、先行事例の研究と整理、課題の共有を試みた。

第2部ではヤフーのソーシャルメディア活用、企業サイトのオウンドメディア化、ソーシャルネットワークとの連携によるビッグデータ活用など、BBA会員企業のソーシャルメディアへの取り組みを各社、各位より解説頂いた。AR(拡張現実)、O2Oなど、今後のソーシャルメディアと協調するテクノロジーの今後についてもフォーカスした。

■講演者
オープニングスピーチ Facebook日本副代表 森岡 康一 氏

第1部
1-01 株式会社サイバード 執行役員 落合 伸行氏
1-02 アライドアーキテクツ株式会社 取締役 西田 貴一氏
1-03 株式会社ハイベロシティ 取締役 福光 了良氏
1-04 株式会社セールスフォース・ドットコム Herokuエバンジェリスト 相澤 歩氏
1-05 イー・ガーディア株式会社 取締役 小田 志門氏

第2部
2-01 ヤフー株式会社 セントラルサービス統括本部 サービス開発本部 橋本 祐一朗氏
2-02 株式会社リンクドブレイン 執行役員 清水 弘一氏
2-03 レイ・フロンティア株式会社 代表取締役 田村 建士氏
2-04 株式会社ユラス 代表取締役 井浦 知久氏
2-05 ソフトバンクモバイル株式会社 常務執行役員
    ソフトバンク・ペイメント・サービス株式会社 代表取締役副社長 兼 COO
    PayPal Japan CEO 喜多埜 裕明氏

■オープニング・スピーチ「プラットフォームとしてのFacebook Facebook」
Facebook日本副代表 森岡 康一 氏

IMG_4870.jpgIMG_4875.jpgFacebookのプラットフォームを利用することで、自社サービスが簡単にソーシャル化され、集客も効率よく行う事ができるOpen Graphについて解説する。従来のインターネットの使い方は、自ら、趣味趣向をサーチの中から選ぶものであったが、ソーシャルの登場以降は、ソーシャルから気づかされるようになった。これがソーシャルディスカバリーである。Facebookはそれのみで、利用者を集めようとしてきたのではなく、ディストリビューションのプラットフォームとして、皆様のWebサイイトに人を送るという機能に特化し、ネットの世界を変えて行きたいという考え方で推進してきたサービスである。2007年から、Launch of Platformの提供を開始したが、日本において急速に会員が増え、知名度が上がったのは2010年のLike Buttonを出してからである。この時期、世界では月間5億人のアクティブユーザーとなった。2011年11月TimeLine Appsを出しさらに拡大している状況である。これに続いて、Open Graphが用意された。動画サービス側で採用が進んでおり、採用しているサイトのコンテンツが、簡単にシェアされるようになっている。また、TimeLineに記録されるため、友達との共有、友達から新しい情報が得られるような環境がより進展し、今まで以上にソーシャルディスカバリーの概念につながる機能である。
実装しているパートナは、ゲームのzynga、電子書籍のkobo、自動車メーカのフォード、ワシントンポストなど無数といえるほど多くの企業がWebサービス内に採用している。実績の中には半年程度で4倍のトラフィックの増加が報告されている。日本国内は今後の展開であるが、日本から世界に影響を与えて行くようなWebが生まれるために、ソーシャルを使ったサービスは極めて有効である。今後日本でのマーケマーケティングやWebサイトの構築に、大々的に利用されるようを期待するところである。

■講演「Facebookアプリ開発者支援の取り組み」
株式会社サイバード 執行役員 落合 伸行 氏

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株式会社サイバードが行っているFacebookアプリ開発者支援の取り組みについて解説する。
1998年の創業。ケータイ電話向けの公式課金サービスを展開してきた企業で、以後、モバイルインターネットに関連した事業に関わってきた。
サイバードの事業に、コンテンツ事業があるが、対象はクローズドなプラットフォームに対し展開してきた事業であるため、ソーシャル性はほぼ存在しないサービスであった。しかし、社会はスマートデバイスが中心なり、また基盤にソーシャルが置かれて行く中、Facebook向けの事業を手掛けるようになった。このような事業の変遷の中、開発者向けのサポートサイトfb.developers'+を開始した。2011年7月より開始技術支援サイトで、Facebookのアプリ開発者のためのサイトで、開発のための土壌を提供するものである。提供するコンテンツは4つある。

◆4つの主要コンテンツ
1.リファレンスの完備
2.開発Tipsの提供
3.情報の共有
4.リアルイベント開催

サイバードでは、Facebookのプラットフォームとするアプリ開発を支援することで、ソーシャルサービスの拡大を支援する立場である。Facebookは多くの技術公開しており開かれた形であるが、ドキュメントを読み解くに当たり、サービスを企画するためには、英語では利用しにくいことがあげられる。fb.developers'+の中では可能な限り翻訳して提供している。また、開発例も参考としてみられるよう、開発ブログ、開発コラムも掲載できるようになっている。今後、Facebookアプリの開発講座を実施し、アプリ開発未経験のエンジニアを対象とした、ハンズオン形式の勉強会の開催を予定している。これらの活動は、Facebookアプリの開発者人口を増進させて行くものである。

■講演「Facebookマーケティング「モニプラ」から見たモバイルアプリ開発について」
アライドアーキテクツ株式会社 取締役 西田 貴一 氏

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Facebookマーケティングプラットフォーム「モニプラ」開発・運営の事例について解説する。
モニプラは、2011年5月に供給開始したサービスでFacebookページ上でキャンペーンを行えるアプリである。Facebook上でユーザー参加型のキャンペーンを、簡単に実施することが出来る、Facebookアプリケーションサービスである。Fecebookの利用人口は、日本で1,400万人。世界17位という状況で浸透が加速しているというのが背景である。こうした概況の中、モニプラfor Facebookを展開している。モニプラは、アライドアーキテクツが提供するFacebook上のキャンペーンプラットフォームである。これを利用することで、Facebookユーザーからの、投稿やコメント、「いいね!」などを集め、高効率・効果的にFacebookページの活性化やコンテンツ収集を行うことが可能となる。
また、Facebookページの作成に役立つ各種アプリを無償で提供されており、TwitterやYouTube、Static HTML、RSSなどのタブ機能をFacebookページに追加できるという、簡便なアプリを誰でも無料で利用可能。Facebookページの導入実績やノウハウのない企業でも、簡単にタブの作成や編集を行うことが出来る。「モニプラ」にはブログ、twitterのほか、ミクシィをプラットフォームとするfor mixiがある。採用企業は、モニプラ for Facebookで230社を数える。講演では、開発担当者に向けた利便性、アプリ開発の留意点が述べられた。

■講演「ソーシャル時代における企業としての取り組みとこれから」
株式会社ハイベロシティ 代表取締役 福光 了良 氏

IMG_4905.jpgIMG_4906.jpgFacebook、mixi、twitter、Google+、Lineなどさまざまなソーシャルメディアが登場してくる中で、今後の動向、その変化に対して企業としてどう対応して行くべきかなど、今後に向けた解説。合わせてHivelo Social Appsなどのソリューションを紹介する。
5,000万規模のユーザーを抱えるソーシャルサービスは、次々に出てくる状況にある。今後もこの程度のユーザーをもつサービスは、新たに出現して来るものとみている。このような中、Facebookは驚異的であり、日本国内の状況では、「90日間で50%の増加」と表現される勢いで伸びている。周知の通りスマートフォンの伸長が大きく影響しているもので、2014年には国内携帯電話の80%がスマートフォンになるとされている。世界的な状況を踏まえFacebookの経営サイドからも、モバイルへの広告に集中的に投資して行くと宣言されている。ハイベロシティの分析でも、広告を投下したもののみでもインプレッション数で4倍、クリック数で2倍と劇的に変化している状況である。機能の発展では、Facebook側においてソーシャルマーケティングが可能な、データを把握できる機能を揃えてきている印象を得ている。ソーシャルメデイアの動向については、次の5つの要素で捉えている。

◆ソーシャルメディアの動向
1.「未来」へと向かうソーシャルメディア
これから「欲しい」という購買・欲望へ結びつく、欲望を満たす仕組み。Want'ボタンなど。
2.群雄割拠するC2C型ソーシャルマーケットプレイス
より顔が見えるマーケットプレイスという図式
3.新しい切り口からソーシャル・プラットフォーム化するメディアが出現
従来のSNS型のみならず、写真共有や音声通話、チャットなどからもメデイア化する例がある
4.「スマホ」によるオフラインシームレス決済手順の現実化
プラグイン利用のオフライン・クレジットカードの決済手段が充実してきている。シームレス決済増加。
5.モバイルネットワークの分散と新しいキャリア決済モデルの可能性
ビッグデータ化とネット利用がスマホで可能。オフロード利用によるキャリア決済変化の可能性

今後、ソーシャルの発展によって、いずれもマーケティング展開する企業側にとって、手間とリスクが増えることは必須である。ハイベロシティのソリューションは、企業側が手間とリスクを回避し、本業に集中出来るよう、支援するものである。

◆ハイベロシティのソリューション
1.ソーシャルメディアプラットフォームに対応したSaaSの提供。
2.ソーシャルメディアプラットフォームの運用サポート/コンサルティング
3. ソーシャルメディアプラットフォームと連携したアプリ/Webサイトの制作・開発
4.SocialMarketingのサポート

■講演「Heroku deep dive」
株式会社セールスフォース・ドットコム Herokuエバンジェリスト 相澤 歩 氏

IMG_4911.jpgIMG_4914.jpgWebアプリケーションの開発から公開まで非常に簡単にできる優れたクラウド・プラットフォーム「Heroku」 の事例について解説する。
セールスフォース・ドットコムは営業支援ツール展開の延長で、SOCIAL ENTERPRAISEというビジョンを掲げている。これは企業のソーシャルネットワークを2つに分ける概念で、1.企業内従業員側のソーシャルネットワーク。2.顧客のソーシャルネットワー。である。一方は社内。一方は社外においてソーシャルサービスを使うことで、情報の共有を図るものである。社内においては、ソーシャルを用いて効率化やイノベーションを起こす効果。社外においては、顧客に対しソーシャルネットワークを用いて、より顧客とのエンゲージメントを高める施策を展開するものという考え方である。Herokuは顧客に向けたアプリケーションを作る基盤製品である。特に、顧客に対し、イノベーティングな体験を、最終ユーザーであるコンシューマに届けるために使われる基盤製品である。2011年9月にFacebookとのインテグレ―ション機能がビルトインされ、現在、急速に導入件数が増えている。大手のユーザーにはディズニー、スターバックスコーヒー、アシックスなどが挙げられる。Herokuの機能は、開発者が集中すべきこと以外の手間を省く機能を揃えた点に特長がある。

◆生産性を高める開発者のためのプラットフォーム
1.サーバを意識しなくてよい
2.スケーラビリティについて考慮しなくてよい
3.プロセス単位で可視化できる
4.信頼性・可用性の高いアーキテクチャ
5.アドオンシステムによる機能拡張

Herokuの機能は、開発者が集中すべきこと以外の手間を省く機能を揃えた点に特長がある。生産性を高める開発者のためのプラットフォームという思想に基づく製品といえる。

■講演「Facebookの積極運用の事例」
イー・ガーディアン株式会社 取締役 小田 志門 氏

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イー・ガーディアンのコア事業である投稿監視のノウハウをもとに、2012年4月に「ソーシャルシフトエージェンシー」を立ち上げ。現在はクライアントに対するリスクの啓蒙から運営サポートまで各種コンサルティング業務を実施。この経験から、Fecebook運用事例を紹介する。
イー・ガーディアンは、コミュニティメディアにおいて、ユーザーの投稿内容のチェックやカスタマサポートなど監視管理業務を請け負っている企業である。監視要員は約500名おり、24時間稼働している。ソーシャルメディアの普及によって、情報の流れが増え、同時に情報の受け手がそのまま発信者になる。その結果、情報の発信量が爆発的に増える一方、発信側が消費者のコントロールが出来ないという、新しい情報拡散の構図が生まれた。国内のソーシャルメディア利用者は延べ5,060万人と推定されが、この情報拡散のプラットフォームの代表となるのがFecebookである。以下、プロモーション、販促など企業活動に対しFacebookを効果的に使っている事例を紹介する。

◆世界の山ちゃん(鶏手羽先専門店)
ユーザーの問い合わせに対し、担当者が細かく回答、対応。地道な使い方がファンを獲得。コミュニケーションとの絡みが、エンゲージメントやブランディングにつながっている例。
◆豚とんびょうし(焼き肉店)
Facebook上で、予約、問い合わせが出来るほか、メニューが記載され点が特長。投稿に対し常に担当者が回答するという、コミュニケーション機能も持たせ運用されている。

いずれも、ユーザー(お客様)からの投稿に対し回答している点。一番アピールしたいポイントをコンテンツ化している点。ソーシャルメディアの使い方として、この2点が新しい試みであり、効果を得ている点である。Facebookの運用形態の多くはホームページへの誘引、URLの添付など付帯的なものであったりするが、コミュニケーションを含めた動的な運用で効果を上げる段階に移行してきているといえる。加えて、投稿やシェアのデータ分析を進めることで事業計画に反映させるツールとして運用することも可能である。Facebookは事業戦略のルールとして運用すべき段階に入っており、マーケティングのツールとして活用して行く重要なプラットフォームである。

■講演「ヤフーのソーシャル連携」
セントラルサービス統括本部 サービス開発本部 橋本 祐一朗 氏

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爆速Yahoo!を宣言してからの様々な取り組み。ヤフーのソーシャルに対するアプローチ。Facebook連携とこれまでの効果検証、Facebook連携における運用面での課題と解決方法今後の取り組みについて解説する。
ヤフーにおけるソーシャルの位置づけは、"DUBの爆増"につながる重要な手段である。DUB(デイリー・ユニーク・ブラウザー):多様なデバイスによって、どの程度アクセスが増えているかいう点がヤフーの事業全般にわたって重要である。ソーシャルサービスは、コミュニケーションの場であり、人と人がコミュニケーションする状況がDUBの増加につながる。Facebookは、特定のコンテンツやネット上の"ネタ"でコミュニケーション生まれるサービスではなく、生活の延長で人間関係が取り込まれるプラットフォームである。生活環境とえる"場"である。この点で、ヤフーの各サービスとFacebookが連携することはDUBの増加に直接つながるものといえる。通常の生活上、人間関係上、日常のやりとりにおいて、常にヤフーが‟絡む"状況を作ることが可能になるといえる。ヤフーは2012年4月から事業体制を一新した。テーマは爆速であるが、このテーマを実現するための基盤にFacebookがある。Facebook連動の例には、ニュースの自動共有やGyao!の「ウォッチなう」があるが後者は、見ているコンテンツがタイムラインや、ニュースフィードに流れるという仕組みを採っている。既存のサービスに、ソーシャルを絡めることで、常にDUBが増加する状況を作り出すことが出来る。既にFacebookからユーザーの流入が顕著であるが、今後順次他のサービスにも展開して行く計画である。Facebook の連動が、DUBの増加の手段として有効な点は実証されているが、さらに流入の最大化を目指して行くためには、ヤフーサイト内への滞留・回遊を今以上に高める必要があると感じている。また、コンテンツの品揃え強化や、流入促進という、単に仕組み作りではなく、ヤフー側から、ユーザー側に接触して行くという点も重要であり、早期に着手すべきと考えている。

■講演「ソーシャルメディア連携サービスを実現する為のグラフ活用とソーシャルメディアインテグレーションについて」
株式会社リンクドブレイン 執行役員 清水 弘一 氏
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ソーシャルメディアを活用すべく4つのグラフについて解説しながら、新たなグラフ要素としてリンクドブレインが提唱する「コワークグラフ」を活用した「ソーシャル紳士録サービス」の事例紹介とその可能性。加えて、日々増加していく企業(ブランド)のソーシャルメディアの活用がについて、あるビジネスモデルを例に、ソーシャルメディアインテグレーションを紹介する。
ソーシャルメディアで連携されているグラフとは、人と物ごとのつながりを示す相関関係を図化したものである。この相関関係には4つのパターンがある。

①Social Graph:「人=人」の相関図⇒人間関係の可視化。
②Interest Graph:「人、物・事(同じ興味関心)」=自分×物・事、物・事×物・事」の相関図⇒物・事と人関係の可視化。
③Relation Graph:「人、物・事=物・事×物・事」の相関図⇒人や物・事(必ずしも同一ではない)の関連性のあるつながり、関係性の強弱などのつながりの可視化。
④Co-Work Graph:「人、プロジェクト(組織)=人×プロジェクト、プロジェクト×プロジェクト」の相関図⇒仕事、プロジェクトのつながりを人とスキルノウハウでつないだ仕事関係。

ソーシャルメディアにおける、情報の流れは概ねこの4つのパターンで伝播、拡散している。ここで紹介するのが、④のCo-Work Graphをベースとした、マッチングサービス‟ゲーム業界向けソーシャル紳士録サービス「Who'sWho@Game」である。個人の過去の経験データを採集し、蓄積して置くことで、人材同士の出会い、プロジェクト毎に適した人材の抽出・マッチングなど円滑に行うサービスである。ソーシャルメディアを使うことで、採用する側、される側双方において、プロジェクトや人材に接する機会が増えるほか、業務や就労に速やかに結びつく、新しい人材デリバリの環境が創出される。 

■講演「注目ARアプリのソーシャルメディア活用」
レイ・フロンティア株式会社 代表取締役 田村 建士 氏

IMG_4946.jpgIMG_4948.jpgレイ・フロンティアは位置情報技術や、AR(拡張現実)技術を活用したスマートフォン向けアプリケーションを開発するベンチャー企業。2012年から、世界中でARアプリが、続々リリースされる中、国内でもスマートフォンの普及に連動して、ソーシャルメディアを活用したARゲームやソリューションが社会へ浸透していくものと予想される。まず、ARの基礎知識を簡単に説明した後、デモを含めた注目するARアプリを紹介。過去に成功しているARアプリのパターンや、今後想定される将来についても解説する。
調査会社の予測データではモバイルARを用いて得られる収益。2012年で2100万ドル2017年で52億ドルというように、急拡大する方向にある。ARは日常に入りこんで行く技術であるため、既に話題の時期を過ぎ、ソリューションの時期に入っている状況である。

◆AR技術の価値とは
遠くのものを近くに見せる!
見えないものを見えるようにする!
視覚だけでなく五感すべてを拡張する!
複雑な情報を直感的に!

ARの研究は、1960年代前半からあり、50年近い歴史がある。これが、実用レベルで一般に知られるようになったのは2007年の初音ミクの登場からで、以降2008年に"電脳フィギュア"。2009年の‟セカイカメラ"の登場、Android向けのARトラベルガイドのリリース。スマーフォンの爆発的な市場拡大を反映して、ARの実質的な用途も顕在となってきた。一方で、プラットフォーム型のARアプリとテクノロジが商品化されており、基盤テクノロジでは、クアルコムのvuforiaをはじめ、既に18種程度。ARアプリでは、17種ほどがある。欧米では、ARの導入は進んでおり、次のような活用事例がある。観光:テーマパークアプリ、空港イベントのAR。店舗販促:カタログ画像認識、キャラクタ認識。ファッション:店舗内POP認識、腕時計のフィッティング。書籍:雑誌AR連動、雑誌かざして付加情報。教育:NASAアプリ、金環日蝕アプリ、本から遺跡体験。EC:商品棚から情報表示、商品パッケージからAmazonへなどがある。ARは、普及・導入が進めば表現手法として広く定着するものである。その環境の中で、より訴求効果のあるアイディアと企画力が問われることになる。現状は、特に国内の場合、AR導入の初期段階である。まずは、導入側の理解が進み、DLされる環境作りが望まれる状況である。
ただし、ARを単に物珍しさや、アイキャッチの一つとして導入しても効果は持続せずビジネスに本格的に結びつくものではない。通常の人の行動、動線を分析したうえで作り込む必要がある。‟AIDMA"に則した作り込みや、可能であればユーザー個人の情報を活用した、ユーザーの状況に合わせた表現があれば、さらに有効性は増すものといえる。

■講演「企業のオウンドメディア化とビッグデータ活用」
株式会社ユラス 代表取締役 井浦 知久 氏

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企業のビッグデータ利用でもっともシンプルに効果を上げられるのは顧客のセグメント化とセグメントに最適化したコンテンツを配信することである。Hadoopベースのビッグデータ分析基盤を構築し、セグメントに最適化したマーケティング施策を立案から分析まで一貫して管理するオウンドメディアマーケティングの基盤を構築することが、企業がこれからの時代を生き残るための鍵になる。
オウンドとは所有するメディアのことである。企業のWebサイト、自動販売機や印刷媒体も該当する。景気低迷の昨今、企業のマーケティングテーマにおける課題は、予算の削減や投資対効果、マス広告の限界かあるいは懐疑が挙げられる。このうちマス広告がもつ機能は、マジョリティに向けた訴求であるが、この経済環境のなかで企業が求める方向は、顧客個々の嗜好に対する、多様化への訴求に移行してきている。ここに大きなギャップがある。このギャップを埋めるのがロングテールの需要ないし、多様化した顧客層への訴求である。ロングテールとなった各需要は少ないが、集合すると大きな収益をもたらす需要。あるいは、各需要は少ないが、確実に購入する商品、購入する層の存在である。これらを丁寧に取り込むことで、集合すればマジョリティに匹敵する規模を得られるのではないか、という考え方である。従来のマス思考の訴求は、集団であるマジョリティに対し、広告などの情報を伝えてきた。これが、オウンドメディアの場合は、複数ある顧客層それぞれに対し、的確に情報を伝えることになる。オウンドメディアを使った消費者・顧客との関係はファーストチョイスにおいて"ここしかない"と感じさせる深いファーストチョイスの関係作りである。オウンドメデイアを運用することは、例えば、自前の放送局を通じ、ダイレクトにメッセージを伝える。その他の施策で絆を深める。そして顧客にとってのファーストチョイスとなり企業の事業モデルの一部を確立することである。この基盤作りに必要であり、有効活用すべきものがビッグデータである。顧客情報などデータは常に溜まり続ける。特にスマートフォンの急速な普及は、データ量の増大を意味するものである。代表事例として日本マクドナルドの「トクするケータイサイト」がある。スマートフォンをかざすクーポンであるが、これによって個人の購買データが蓄積され、このデータの分析で個々に異なる最適化されたクーポンが発行される。ビッグデータを活用したことで、オウンドメディアマーケティングが可能となった事例である。これは、Hadoopベースの分析基盤を用いたビッグデータ活用であるが、その他クロスメディアへの配信など、企業の売上げ向上には、同時に複数のマーケティング施策を展開することで、より効果を上げることが可能である。

■講演「ペイパルとの提携とソフトバンクグループのO2O戦略」
ソフトバンクモバイル株式会社 常務執行役員
ソフトバンク・ペイメント・サービス株式会社 代表取締役副社長 兼 COO
PayPal Japan CEO 喜多埜 裕明 氏

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ソフトバンクは2012年4月に米国ペイパルと合弁会社を設立することを発表した。今後「PayPal Here」の展開をはじめ、日本の決済市場を大きく変えるためのさまざまな施策を予定している。ソフトバンクとペイパルとの提携や、それを受けてのソフトバンクグループのO2O(Online to Offline)戦略について紹介する。
ペイパルは、電子メールアカウントと、インターネットを利用した決済サービスを提供する米国の企業。1.1億アカウント、190ヶ国、25に通過に対応しているグローバル展開の企業である。ペイパルとの合弁会社設立の目的は、日本におけるカード決済の利用を、拡大させるためである。ソフトバンクは3,000万ユーザー、27万のWiFiスポットを運用。ヤフージャパンは5,000万ユーザー、24万ロコ契約店がある。この事業規模においてペイパルを介在させることで、クレジット決済がより拡大することになる。
日本はカード決済の後進国である。韓国のカード決済利用率は60%。これに対し日本は12%と極めて低い。その要因は、カード決済導入店舗が少ないこと、消費者側の心理として使う文化が根付いていない点にある。店舗側の問題は、多くの個人店舗の場合、設備の導入費用、決済手数料などの点で手間と感じる点にある。これも手間という心理的な要素も強く、簡便な設備と支援体制があれば、導入に至るものとみている。展開するシステムはPayPal Here。スマートフォンを利用するカードリーダである。スマートフォンを決算端末とすることで、決済データの送信システムも携帯電話のインフラを使うものである。簡便なシステムであり、飲食・デリバリー、大型店舗内の各商品コーナーなど、小単位での利用価値が大きいと想定している。レシートの送付も消費者個々に送付可能であり、導入のほか、運用形態も簡便である。PayPal Hereの導入によって、スマートフォンを通じ顧客と紐づいた関係が構築できる。これによって本人確認が容易なほか、お得意様と店側が常に近い関係を構築できるものである。発展として、小規模な店舗であっても顧客情報に基づいたオウンドマーケティングが自然な形で可能になるものである。ソフトバンクグループはこれまでに、ネット環境の中で流通プラットフォームを構築しており、商品の発見から決済まで、Online to Onlineでは既に、圧倒的No.1の、一気通貫モデルを運用している企業である。今後は、ペイパルとの事業も含め、Online to Offlineのリアル店舗の商流においても、プラットフォーマーとして環境作りに取り組んで行く方向にある。