【開催報告】「2012年のスマートデバイス市場を展望する」

2012年2月24日 Posted in 通信プラットフォームWG

モバイル端末は大半がスマートフォンへシフトし、スマートタブレットのビジネス活用も様々な業種、企業に取り入れられつつあります。2012年は世界主要国でLTE方式による通信サービスが次々に開始され、これらスマートデバイスで活用できるコンテンツやサービスも一層豊かなものになっていくと考えられます。これらスマートデバイスは、わが国で、そして世界でどのような展開を見せていくのでしょうか。そこで、多方面で取材に当たられているジャーナリストの林信行氏と、日本アンドロイドの会ビジネスワーキンググループリーダー/株式会社GClue 代表取締役の佐々木陽氏にご登壇いただき、スマートデバイスの将来を展望してみました。

実施状況
申込数 82
参加者数 56(BBA会員28 / 非会員28)
参加企業一覧 45社

■講演「スマートフォン過半数時代が生み出す地殻変動」
ジャーナリスト 林 信行氏

まず最初に、スマートデバイスの今後の展望について、アップル社など、世界的ベンチャーへの豊富な取材・執筆経験をお持ちである、日本を代表するITジャーナリストの林信行氏よりご講演いただきました。

林氏はまず、世界のマーケットデータなどを引用し、スマートフォンブームは国内だけではなく、世界的なトレンドとなっていることを説明されました。さらに、国内におけるスマートデバイスのビジネス活用事例を豊富にご紹介くださいました。

スマートデバイスの特徴として「すぐ起動」「コンテンツ提供の簡単さ」「インターネット常時接続(リアルタイム性)」「無線LANを使った機器連携」「操作が簡単なタッチパネル」が優位点となり、市場を牽引するサービスに発展していること、これらを活かせるサービスを構築することが重要であることなどを説明されました。

iPad活用によるペーパーレス化により残業コストまで削減できたソフトバンクテレコムの事例、iPhoneアプリからピザの注文を可能にしたドミノ・ピザがアプリからの注文だけでわずか1年2カ月で5億円を達成した事例、ネット通販で上位に食い込む各社は有効にスマートデバイス向けアプリを活用していることなど、多数のビジネス実践例を紹介いただきました。

最後に林氏は、「インターネットが急速に普及し、社会で活用されるようになったのはわずかこの15年の話。少なくとも15年前に、今日の社会を想像できていた人は多くないはず」とし、さらにスマートデバイスが台頭し変革していく今後の社会を見通すためには、アラン・ケイの「未来を予測する最良の方法は自ら発明すること」という言葉を引用して、「スマートデバイスを活用している人たち自身が将来のスマートデバイス社会を創造していくことになる」と締めくくられました。

■講演「スマートデバイスのプラットフォームと技術動向」
日本アンドロイドの会ビジネスワーキンググループリーダー/株式会社GClue 代表取締役 佐々木 陽氏

1999年よりワイアレス機器向けのJavaアプリの開発を手がけられ、その後も携帯電話向けアプリ、スマートフォン向けアプリの開発に専心されている、GClue代表取締役の佐々木陽氏よりスマートデバイスのプラットフォームや技術動向についてご講演いただきました。

まず佐々木氏は、スマートデバイスの市場動向について解説されました。端末OS別でみると、2011年第4QでAndroidの端末数は7,590万台、市場シェア50.9%に達するなど、次位のiOS(3,545万台、23.8%)との差をますます拡げ、一段と存在感を高めてきました。アプリダウンロード数については、iOSが4000万DL/日、Androidが2500万DL/日で、合わせると6500万DL/日に達しており、さらに2014年には5億DL/日になるという市場予測なども紹介され、今後も拡大が期待できるプラットフォームであることを力説されました。

また、演算処理という視点からスマートフォンを見ていくと、iPhone 4SのCPU/GPの計算処理19.2GFlopsという能力は、1999年当時数千万円もしたスーパーコンピュータ(事例として富士通VPP5000)2台分に相当するものとなっており、言い換えれば10年ほど前のスーパーコンピュータを、現在は誰もがポケットに入れて持ち歩いているような時代になっているということです。

今後はこうした処理能力を高めたデバイスがインターネットを通じてクラウド系サービスやその他のハードウェア、さらに家電等と連携し、生活をより豊かなものにしていくであろうという将来展望についても触れられました。こうしたクラウド系サービスや情報家電連携において、人間側で操るために利用されるのがポケットの中のスーパーコンピュータであるスマートフォンであり、スマートフォンを中心にすえたサービス設計がますます求められていくということです。

さらに「頭脳」としてスマートフォンを活用する事例も紹介されました。韓国で市販開始されたAndroid OS搭載の子ども用教育ロボット「kibot2」の事例のように、スマートフォンを頭脳として活かすロボットや情報家電の開発などが世界で始まりだしています。GClueで取り組まれたAndroidスマートフォンを活用した「釣りロボット」も動画で紹介いただきました。

開催概要
■日時 2012年2月23日(木)16:00開始 (15:30開場)
■会場 ソフトバンク本社25F フェスタ
105-7303 東京都港区東新橋1-9-1 東京汐留ビルディング
http://www.softbank.co.jp/ja/info/profile/access/
■主催 一般社団法人ブロードバンド推進協議会(BBA)
■定員 60名
■参加費 BBA会員 無料 / 一般 4,000円(税込)(懇親会参加費を含む)
■対象 情報・通信関係者、その他